詩を書いていたりします

時おり、詩のようなものを書いてきました。すみません。吐き出させてください。

選ばれなくても

   選ばれなくても

選ばれなかったら
残されたものなのか
残された者
残り者
余り者
はみ出し者
行き遅れ
乗り遅れ
はけただの
片付いただの
目にかなっただの
えらそうに

選ばれなかったら
その時選ばれなかっただけ
それだけ

なんだよ
事実を言っただけだろ
今に見ろ
残りものにも福が
昔から言うだろ

                                                 2018.1.15

 

 

冬将軍の戒め

久しぶりに白く化粧した庭
家族のうちで誰よりも早く見た僕なのに
傘を忘れたりするから
ないものはない開きようもない
傘も開かず
バス停で開いた本の上
雪がふりかかる

読むな読むな学ばせないぞ
彼方へ思いを馳せるなんてさせないぞ
お前はこの寒空の下の住人
この現場の当事者
学ぶふりして逃避などするな
言わんばかりに本の上
雪がふりかかる

早くバスの中に入りたい
現実逃避がだめならバスの中は
思う時に限ってなかなか来ない
こごえるふるえる
バスよ頼むから
探して顔を上げた本の上
雪がふりかかる

もう穴を開けてしまった
お義父さんのお下がりのセーター
妻は少し前から体調不良
子らはインフルエンザ
僕も土日は頭痛がしていた
雪を乗せた風がきついじゃないか
なかなかきつい

お前の家族が次々に病気にかかったのは
お前に笑顔が足りていないからだよ
足りていない格段に足りていない
そんなことを言いながら
北風がこのうなじを撫でてゆく
さすがは冬将軍の斥候
冬将軍はかくも厳しい

                                                        2018.1.25

 

 

 

 

 

 

 

 

 


雪を待って、投稿を控えていたら、とうとう3月になってしまいました。

今さらですが、載せてみます。

 

こちらは雪深い、ではなく雪浅い九州です。

やっと積もってこれくらい。

 

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写真は4年前です。

 

この冬はちらちら降る雪しか見ませんでした。

報いのおつり

友だちと連れ立って登校する娘
その姿その風景
なんてありがたい
なんという安堵
そうだこのために生きてきたのだ
歩き走り
怒り泣き
恥をかき恨み
悩み働き
どんなにみっともない日々でも
すべてこのためだったと思えば
なんて贅沢な
神様あなたを疑うようになってかなり経つが
神様あなたにおつりを払うべきかも

                                                  2018.1.15

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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これも通学の風景か?

 

 

 

ちょっと、かわいすぎましたね。

以前、子どもたちがぬいぐるみで遊んでいた時の写真です。

 

笑えなくて

笑顔が下手なことは認める

が笑顔を忌み嫌うつもりもない

別に罪でも無かろうし誰が咎め

笑えるものなら笑いたいさ

 

笑顔が下手なことは認める

が笑顔を他人に任せた覚えはない

ここは誰かが笑ってくれたら

なんて考え甘えに過ぎないと分かっている

 

ならば遠慮なく笑え

存分に好きなだけ心ゆくまで

なぜ表情が硬いのかコンクリートみたいに

仏頂面という言葉があるね

考えてみれば仏様に失礼だ

信者じゃなくても分かる

 

亡くなった副社長から言われた

笑顔の練習をしなさい

言われたのにしなかった

逆らったのではないそんなつもりは毛頭ない

尊敬していた

直筆のメッセージも保管している

できなかった

不自然に思えて

笑うとは自由意志によって自然に起こる行為

意識して笑うなんて

などという理屈

結局逆らってしまったのか

 

副社長に義理はなかった

社員教育という義務はたしかにあるが

それは部長課長どころか先輩達にさせること

こちらは一二年めヒラの社員

義理はなかった

のにわざわざ声をかけたのは

心配してくださったのですね

側から見てよほど危うかったのですね

 

妻が出かけた

買い物があるという

子らは遅い昼寝

ふと思う

妻がこのまま帰ってこなかったら

その原因がこのコンクリートの頰だとしたら

まさに思い当たる節

副社長は何とおっしゃるだろう

 

だろうなんて推測

推測に過ぎないじゃないか

それより実際にもらった言葉があるのだから

ああこうして覚えていたのが精一杯だなんて

 

                                                      2018.1.28

 

 

 

 

 

 

 

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よそ様の花です。

 

言葉の中に

どうせ
どうせ
どうせという言葉
好きでもないのに
やたら頭に思い浮かび
思い浮かんでは口から出ていく
やたら口から出ていくなんてもはや
痰(たん)だなこれは

 

こんな詩を書いて初めて知った

痰(たん)という字に炎があるなんて

汚い粘り気の中に炎があるなんて

自分にしろ他者にしろじりじり炙り焦がす

炎があるなんて

 

好きでもない言葉
好きでもない単語

使う場面があるから発生し存在する

とは分かっているのだが
面白くないじゃないか
楽しくもないよ

その言葉その字の中にあるもの

その気配

 

どうせ使わざるを得ないよ

どうせ捨てられないさ
ならせめて
回数を減らすとか
ほかのもので代用するとか

 

今度はタバコみたいだな

もしかして中毒かね

タバコの中タバコみたいな言葉
その中に


                                     2018.5.10

 

気が狂いそうでもすぐに

お前は誰と話してきた

こんなに多くの人が入れ替わり立ち替わり

そばまで来てくれたのに

お前は誰と話してきた

こんなに多くの文字列を受け取り

目の当たりにしながら

お前は誰と話してきた

こんなに多くの言葉を耳にし

いや全身で雨と浴びながら

 

恐れながらも

震えながらも

お前からも歩み寄り

お前からも書き連ね

お前も叫んだじゃないか

 

なのに今お前は思う

自分は誰と話してきたのか

誰かと話したのなら

その人はなぜここにいない

話した

語り合った

言葉を交わした

気持ちをこめて

なのに

 

話してなかったのか

話したつもりだけか

気のせい勘違い思い込み

酒なんか役に立つものか

話してなんかいない

気持ちなどこもってない

こめられない

結局言葉には

気持ちなんか

誰とも

 

それが言葉のせいだったら

それが言葉というものの性質あるいは限界

だったら諦めもつくのか

言い訳もたつのか

でも

そうではなくて

自分だったとしたら

 

ああ気が狂いそう

すでに狂っているのかも

こんな詩もどき

ああ誰か助けてくれ

すがりつきたい

しがみつきたい

温もりが欲しい

鼓動が聞きたい

あなたが欲しい

こんな考えは間違いなのか罪なのか甘えなのか弱さなのか

話を聞いてくれ

分かってくれ

ご理解いただけるとありがたいんですが

ご理解いただけないんでしょうねえ

 

そうさ

もう心配なんかするな

心配なんか

いつものことだ

お前が期待し過ぎただけのこと

何を話してきたかなんて

すぐに忘れるさ

 

                 2018.3.24

 

 

 

 

 

 

 

 

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カメムシ、2匹。

 

お前たちも何かを話しているのか。

 

仕事が無くなる時

してくれ
と言われたからし
し続けてきた
しなければならない
しなければ迷惑がかかる
しなければ困る人が出てくる
ことになる
そう心配して続けてきた
そんな仕事があった

ある日言われた
「実は
しなくてもいいんです
しなくてもよかったんです
しなくても誰も困らない」

なるほどね
ついでに言えば
だますつもりはなかったわけですね
こちらが勘違いしただけだと言いたいのですね
それを言わなくても気づけと言いたいのですね
でなければ
「そんなこと言ったっけ」
「そんなこと前の人が言ったかもしれない
けど今は違います」
と言ったところでしょうか
あるいは
「それで給料を受け取ったのだろう
文句があるならそれを返せ」
なるほどそれはできない
もう胃袋の中だから
こんなところに書くのが関の山

「はっきり言わないと分からないようなら
言ってやる
そもそもお前は仕事なんかしていなかった
お前がしていたのは作業
ルーティーンな作業
作業は仕事ではない
作業と業務と仕事は違う」
なんてはっきり言われるのはこちらだって嫌
となるとやはり言われなくても気づくべきか

あんなにしてきたのに
自分の時間を削ってまで残業して
他人が楽しそうだと羨んで妬んで
他人が楽しているのではと疑って
それを態度に出して喧嘩して
何一つ納得していないまま折れて
言いたいこと一つも言わないまま折れて
卑屈に見られることを覚悟の上で折れて
見抜かれていることを覚悟の上で折れて
自分を折ってまで仕事してきたのに

それは
つもりになっていただけ
仕事をしたつもりに
それは
自分だけではない
自分で折れていたのは
それは
勝手に折れただけ
頼まれてもないのに
勝てない喧嘩の言い訳
仕事が無くなるのはただ単に負けたからか

「しなくてもいいんです
とりあえずそれは
ほかがどうかは知りません
ほかにあなたにしてほしいことがあるのか
ほかにあなたがするべきことがあるのか
それは自分で探しなさい」

そうですね
探すべきですね自分で
分かりました出発します
探しに行きます
見つかるまで
もう探せないと知る時まで

                                                           2018.1.19

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、会社の創業祭に出席しました。

家族も連れていかず、私一人だけの出席です。

面識のある人たちと二言、三言ずつ会話しただけです。

楽しめませんでした。

 

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ふうせんかずら