もしも
もしもこの観覧車が
止まったら僕はつかまれるのか
子ども二人も抱えて
もしもこのクレーン車が
倒れきたら僕は避けられるのか
感情妄想雑念だらけの頭で
もしもこの車が
もしもこの会社が
もしもこの町が国が
もしも妻と子らが
もしもあるいは
まさか
まさか本当に起こったりしないだろうなと
怖すぎて書けないもしも
*
もしもこのスマホが
手術後の母の無事を確認するべく
母からの着信を待つこのスマホが
他界したと聞かされた長兄からの着信にふるえたら
僕は何か言えるのか
聞きたいことがありすぎる
まずは母のことから
兄ちゃんの死後の手続き
兄ちゃんが遺したものの片付け
全て母さんがしたんだよ
何回も横浜まで遠征してしたんだよ
兄ちゃんは知ってたか
*
子らよ
迷子のお前たちと再会できたはいいが
僕はこの父は震えている
ほかのことをお前たちと話しながら
この心は震えている
ほんの数分前のまだ再会できていなかった時間
短かったはずなのに長かったあの時間
そのまとわりつくような
この背骨に粘りつくような
もしも
2018.1.7
+
予約投稿です。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
ありがたいのですが、ごめんなさい。
これから添える写真が気分を害するやもしれません。
蜘蛛の巣の写真です。
なぜそんなものを撮るのか?
なぜそんなものを載せるのか?
普通はそう思われますよね。
自分でもよく分からないのですが、
そのくせ何だか載せたいと気持ちがわいて、仕方がないのです。
どうか遠慮なく、この辺りで他のページに移られてください。
まったく、何をやっているのやら。
何に囚われているのやら。
心にヤスリをかけられたように、落ち着かなかったもので、つい。