詩を書いていたりします

時おり、詩のようなものを書いてきました。すみません。吐き出させてください。

コレクター

人形たち
物言わぬ人形たち
カラフルで
オプションも豊富
ヴァリエーションも何通りあるだろう
物言わぬ者たちが
こんなにも多弁に見える
こちらの勝手な期待なのに
この愚者の妄想なのに
もっと見せてくれ
もっと聞かせてくれ
お前たちの仲間をもっと連れてくるから
一人にはしないから

馬鹿だなぁ
もうたくさんじゃないか
馬鹿だなぁ
しょせん無機物じゃないか
馬鹿だなぁ
きりがないだろう
馬鹿だなぁ
本当は分かっているんだろう

やがて時が来る
お前たちは不意に黙る
同じ者似た者が並ぶ
ダブる
個性がなくなる
そうなるとお前たちでももう自分を語れない
「お前の代わりなんていくらでも」
そんなこと言ってないよ
一度も言ってないよ
そんなセリフ僕が一番恐れ嫌っているのに

お前たちを並べて眺めて悦に入る
そんなひとときもたしかにあった
でももうお別れ
これが卒業なのか
それともまた別の誰かを代わりにするのか

次は
もっと良い持ち主に出会うといい
その人を僕の代わりにするといい
こんな頭でっかちの中年でなく
もっと無垢な子供たちに
引き取られるといい

                                            2018.1.13