詩を書いていたりします

時おり、詩のようなものを書いてきました。すみません。吐き出させてください。

落書きの人へ

やがて去っていくという

そんな噂が聞こえてくる人 

そんな人が書いた落書きを見つけ

今しばらくは気づいていないふり

でもそれがやけにかわいらしく見えるのは

かすかにうれしくなるのは

いつもと変わらぬその調子

噂など噂に過ぎなかったかのように

いつもと変わらぬその調子

原稿に直接ではなく

ポストイットを貼ってからその上に描く

という遠慮もいつも通り

もっと描いてくれよ

見せてくれよ

漫画とか描けばいいのに

 

やがて去っていくという

そんな噂が聞こえてくる人

引き止めたいのは山々だが

家庭の事情には敵わない

去っていけばいいなんて思ってもいない

去っていけばいい奴なんて他にいる

消えればいい奴なんて他に山ほど

それがよりによって

 

やがて去っていくという

そんな噂が聞こえてくる人

そんな人に僕は頼り

迷惑もかけ嫌な思いもさせた

言えた義理じゃない

からこんなところに書くのだが

戦友

と僕は思っている

ひそかに

勝手ながら

 

こんな落書きももうすぐ見られなくなるのかな

つまらないことだ

僕が戦友なんて大げさな言葉を贈る

めったにないことだぞ

その人は

小さくてか弱くていじられキャラ

誰がそんなことを

キャラだなんて浅くて嫌な表現だ

その人は立派だった

不器用だったかもしれないが

その人は立派だった

柔軟ではなかったかもしれないが

その人は立派だった

誰が何と言おうと

その人は立派だった

その人のおかげで僕は仕事ができた

その人のおかげで僕がこんな詩が書けた

 

本当に久しぶりに詩が書けた

ここ数日ちょっとスランプだった

寒空の夜にバス停で詩が書けた

鼻水を垂らしながら書き続けた

書かせてくれた

書きたいと思わせてくれた

そんな人やっぱり立派じゃないか

 

さて今度はその人の番かな

行った先でも落書きを描いてください

遠慮なくたくさん描いてください

ちゃんと気づいていますからね

 

                                                    2018.2.20

 

 

 

 

 



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