詩を書いていたりします

時おり、詩のようなものを書いてきました。すみません。吐き出させてください。

誕生日会には

息子の五回めの誕生日
プレゼントにはどんなおもちゃが良かろうか
知育玩具に期待し過ぎないほうが良かろうか
親の方が夢中になるしねぇ
デパートとか遊園地並みのところ
せめて複合施設に連れて行ってやらねば
上の娘はケーキが食べられることで頭がいっぱい
いちご味かチョコ味か弟に答えさせようとして
肝心の主役は姉の意図に気づかない
誕生日ってなかなか忙しいねえ
でも忘れてないぞ妻よ
つまりは五年前の今日
君は腹を裂く手術をした
二度めの

痛かったろう
書くことぐらいか
この夫にできるのは
言い出したのは君
もとより代わってやれない夫には止めようもなく
もちろん少しでも痛みが少ないようにと願い
などと書くのはずるいことだ
子らはけんかばかりだが
相手があるからできること
もう一人いるからできること
妻よ君の勇気のおかげ
こんなにも救われている
大げさじゃないまぎれもない事実

五年前の今日
娘も頑張ってたぞ
もうすぐお姉ちゃんになるとはいえ
母のいない初めての夜だったはず
この無力な父の心配もよそに
泣きもせず
その小さな胸中でも涙しなかったかどうか
翌日笑顔で見舞いに行けた
さては妻よ君の方がわかっているな

君は最近よく言う
息子を褒めてやって
息子はちょっと叱るとすぐ泣く
この未熟な父の感情的な接し方も悪かろうが
この未熟な父の幼少期と全く同じ
ああもうこんなところばかり似て
軌道修正を焦りやきもき
また悪循環
息子は僕にトイレに行けと言う
涙は見せない見せたくない
というわけか
この鈍い父でもその小さな背中は読めるぞ
妻よ僕だってこういう変化は評価しているんだ
でも褒め方が足りないか
でも褒め方が下手なんだな

褒めると言えば妻よ
僕は君を褒め労おう
子らにはあんなにやきもきさせられたのに
まだ五年
もっと長い時間だったような
ならば何年だったら納得するのか
それも思いつかない
そんな時間を妻よ
君はここまでつないでくれた
よくぞここまで
そしてこれからも
よろしくお願いします

また誕生日会しよう
ささやかでもいい
次は娘の八回め
おっとその前に君のが
ほら忘れてなかっただろう

                                               2018.1.10

 

 

 

 

 

 

 

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お誕生日の木、

ということにしておきましょう。