詩を書いていたりします

時おり、詩のようなものを書いてきました。すみません。吐き出させてください。

きっとマンドリンの夜

そそくさと

決まってるじゃないか

そそくさと

二次会はご遠慮しよう

新しい人たちを駅まで送る

ついでにフェイドアウト

ここからはそそくさではなく

のろのろ歩いていく

 

深夜というほどではない夜の勝山公園

やれジョギングだとか影はそこここにあって

おや何か聞こえる

マンドリンというのかバンジョーというのか

いやあの影はきっと

奏者に尋ねる勇気もなく

そのくせ通り過ぎもせず

同じ川の土手に離れて座る

そのまま背を後ろに倒して夜空を見る

なかなかの音色じゃないか

かわいくて

どこかおどけていて

童謡か何かどこかで聞いたような

それとも外国映画の曲

しめっぽくはない

お金を払うべきか

こんなただ聞きして

途端に音がつまづく

やり直しにちょっと繰り返しになって

それもおどけて聞こえる

月が雲間で出たり入ったり

このまま寝てしまわないか

自分でもちょっと心配になって

奏者は心配してくれるかな

気を散らしたのは確かだろうけど

 

何のきっかけで立ち上がろう

が自分でもよくわからないうちに体が起きた

寒くなったからか

のろのろと土手の階段をのぼり

やはり歩み寄る勇気はない

ずうずうしい気もするし

だから

ちょびっとだけの下手くそな拍手になる

いい迷惑だろう

挽回しようと「ありがとう」なんて声を出す

声を上げる

言い放つ

言いっ放し

酒で乾いた喉でかすれ気味だ

届いたのか届かなかったかも

返事反応は期待してない

むしろ

あなたの演奏への返事なのだから

 

明日のイベントのためのテント

警備員さんが椅子で動かない

見張っている

こちらには「ご苦労さま」ももう出ない

職業で差別するつもりはないのだが

喉がかすれたのはもう分かった

働くってどういうことなんだろう

なんて問いを持て余しながら

この広い公園を出る

 

あの演奏があったからかな

そのあとの帰り道ではあまり歌わなかったよ

 

                                        2018.4.27

 

 

 

 

 

 

 

 

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夜の市場



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閉めた店先の猫

 

詩の舞台になった公園から少し歩いたところに、市場があります。

昼間は観光名所として人を集めますが、夜はこんな姿。

猫も、なかなか正面を向いてくれませんでした。