詩を書いていたりします

時おり、詩のようなものを書いてきました。すみません。吐き出させてください。

あえて言え、良かったと

呑み会の席

元社長の会長は

全て良かったと思え

そうおっしゃるのだ

過ぎ去った事は全て

良かった

そう思った方がいい

そうおっしゃるのだ

 

意地悪を言うつもりはないのだが

言われた一社員の僕には

思い出す事がいくつかある

許せない奴

屈辱

裏切られたという感覚

不信の思い

ああ会長あなた自身だって

元社長ですよ

それこそ僕の何倍もの苦みを

 

意地悪を言うつもりはないのだが

会長の事情を思い出す

たしか息子さんを亡くされましたよね

心不全か何か

部長が言ってましたよ

あなたの涙を見たのが僅か二回くらい

たしかその二回めだった

 

勝手ながら

僕はその事情と今日のあなたのお言葉を結びつける

死なれたのは悲しいが

会社を継がせなくて良かった

あのすさまじい心労を味合わせなくて良かった

会長あなたのお気持ちは

そんなところでしょうか

 

会長あなただって本当は

関係なかったんだ

でっかい夢だとか

事業展開だとか

そんなんじゃない

家計をやりくりため

生きていくため

必死だった

そう今だって

それなのに子を亡くす

 

仕事って何だ

仕事って何だよ

こんな思いまでして仕事して

 

だめだ叱られそうですね

簡単に言うな

利いた風な口きくな

すみません

もちろん下種の浅知恵です

会長あなただって本当は

良かったなんて言いたくない

言いたくない

それでもあえて

良かった

あえて言っているのだ

 

会長あなたのお言葉

聞けて良かったです

本当ですよ

だって僕

こんな詩が書けたんですからね

 

さあ帰ろう

早く帰って

子らのために洗濯機を回すぞ

 

                                            2019.1.24

 

 

 

 

 

 

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