机
机上の空論とお笑いくだされ
しかし僕はつくづく思うのです
この机の上が
こここそが
我が王国
我が領土
小学校の時に居たね
机を並べた女の子に意地悪する奴
「こっから入ってくんなよ」
なんて勝手に国境線を引いて
心の中の線は一度引いたら
なかなか消せないのに
気づいた時にはもう消せない
消そうともしなくなる
まあそれは個人の責任だ
それよりも問題は我が机
机の上
いつの間にかじわじわと増えてきた
平積みの物 物 物
こんなに侵略されて
ああでも侵略を許してしまったのは僕か
僕の責任か
こいつらに所有権を主張してもなあ
片付かない
消化できない
物 物 物
ああせっかくの我が領土が
こんなにも狭まって
しかしどこかで見たような
ああそうか気づいたぞ
と言うか認めよう
我が心だ これは
我が心は今こんな状態ということだ
ならばこそ片付けよう
片付けよう もう年末だし
楽だろう 一度引いた線を消すよりも
片付けよう
取り戻そう
失うまいぞ
どんなに小さくても
どんなに笑われても
我が心なのだ
2020.12.26
メガネ
そこのメガネ
よくあるセリフですな
こんなセリフのための小道具でしたっけ
メガネとは
呼びつけるお前のための道具じゃない
使う我がため
使用者のための道具である
では何に使うのでしょう
よく見るため
たとえば女の子 ゴホン
世の中を見るため
社会をよく見るため
え
色を入れて目を隠したいだと
陽射しを口実にしてまで
自分の目を隠したいだと
それは本来の目的と真逆では
ああ でも少しは見えているのね
まあ少し分かりますよ
たとえば自分の吐息でレンズが曇る時
それが雨の日や夜なら
街の明かりがけぶってねえ
ほんのり
淡く
丸く
けぶってねえ
にわか幻想
一瞬の現実逃避
え 結局見てないのでは
いえいえ見たいものだけ見るのです
使用者の決定権ですよ
2020.12.24