詩を書いていたりします

時おり、詩のようなものを書いてきました。すみません。吐き出させてください。

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

今日が終わる

街の雑踏を垂れ流す どぶ川の岸に生えた一本の木 その枯れ枝に捕らえられた夕日を 誰一人助けることなく家路を急ぐ 一日が早い かなしいくらい早い 今日一日 僕は一体何がしたかったのか あんなことを言った それは何を願ってか あんな振る舞いをした それは…

今回は詩ではなく、お題に参加してみます。その2。

今週のお題「夏休み」うちの子らの夏休みは始まったばかりです。親としては、あれをさせたい、これを経験させたい、と気持ちばかり空回りします。昨日もそんなことが。 上の娘がお友だちのお宅に招待されたので(久しぶりに天気雨に遭遇)、残った下の息子を…

ありがたいことにつばめを思い出した

ありがたいことだ 仕事があるなんて 苛立ちもするし肩こりも頭痛もするが 仕事のおかげなんだ まだ幼い子らがガチャガチャをできるのも ゲームセンターで遊べるのも クレーンゲームにクレームをつけずに 何回もやるなんて馬鹿なことができるのも 遊園地に行…

今日が終わる

街の雑踏を垂れ流す どぶ川の岸に生えた一本の木 その枯れ枝に捕らえられた夕日を 誰一人助けることなく家路を急ぐ 一日が早い かなしいくらい早い 今日一日 僕は一体何がしたかったのか あんなことを言った それは何を願ってか あんな振る舞いをした それは…

手紙の鳩

玉砕覚悟で書き下ろした手紙 だったんですが 僕が差し出すとその娘は手のひらにそれをのせたまま 困った顔をして ハンカチをかぶせたんです 木綿の 彼女がハンカチをさっと取り払うと 鳩が一羽飛び立ちました 手紙は消えていました 彼女の唇が動きかけたので…

今回は詩ではなく、お題に参加して見ます。

今週のお題「空の写真」参加したくなりました。 そこで、まず他のブロガーさんの記事・写真で勉強しようと見て回りました。皆さん、綺麗な一瞬をしっかり掴んでおられる。羨ましいというか、私好みの写真ばかり。 さて、私からお見せできるような写真がある…

裏紙なんかが

裏紙が役に立つのか 裏紙なんかが もともと捨てるはずのものだった などという程度の話ではない 情報漏洩 おもての古い文字の群れがあだとなる 責任を問われるしゃれにならない話でもある それでも裏紙が役に立つのか 裏の白地が 何も持たない部分こそが役に…

いい話ばかりじゃなくても

娘よ息子よ実は このパパはお前たちが見たというテレビの話をめんどくさいと思っている ヒーロー戦隊 アイドルを目指す美少女 仲間たち 使っている衣装や道具 魔法と科学 必殺技と決めゼリフ それらはお前たちの宝物だが 移ろいやすい宝物だが お前たち自身…

つまみ食いに言い訳があるとして妻に

妻が内視鏡検査 昨夜から食事制限 今朝も絶食 妻無しでは生きられない夫は よし昼メシを抜くぞ もちろん仕事もするぞ そわそわしながら待ちに待ったメールは夕方 特に問題はないみたい みたいというのが不満だが お医者を責めても仕方がない ぜいたくは言え…

身構えても

身構える 構える 何か言われるんじゃないかと身構える 身構える 構える 嫌なことじゃないかと身構える 身構える 構える 言われるのが避けられないから身構える 身構える 構える 何を言われても驚かないために身構える まるで 驚いたら負けとでもいうように …

早く帰れ

早く帰れ 早く帰れ 早く帰れ 早く帰れ そこにいるお前は誰だ そこで何をしている 一人なのか 一人でお前はそれをしているのか 誰がお前にそれを命じた 何のためにそこまでするのか 早く帰れ 早く帰れ 早く帰れ 早く帰れ 僕は嫌いだ そこに居座るお前も お前…

言えない夢

まさかあなたが 僕の夢に出て来るとは 悲鳴を上げて飛び起きたりしない むくりと体を起こしただけ つぶやいたりもしない 昔の恋人だとか艶っぽい話ではない 他界した縁者たちでもない 競合他社の営業あなたは 僕が所属する会社の商売敵 そこの一員 僕らの戦…

ほかにも

お客様は事業者様 こちらは長年お手伝いさせていただきましたが この度をもちまして 事業者様は店舗を一軒たたみなさる 閉店店じまい撤退事業縮小 事情は根掘り葉掘り聞かないもの 事情は営業が知っていればよいもの 五県も六県も隔たった遠い店舗 実際にお…

コーヒーを飲んでいる

コーヒーばかり飲むからって コーヒーが特別に好きというわけではない 口内のべたつきに甘いものを加えるのも嫌だし 手持ち無沙汰をつぶすには その演出の小道具にするには なかなか重宝するのだ タバコとか吸えない僕には特に だからけっこう飲むよ 一日全…

娘と傘

娘が泣いたことがあった まだ幼いのに我慢強い娘 妻に似たのか バスの中に傘を置き忘れて 娘が泣いたことがあった 買ったばかりのお気に入り 赤い傘 家族四人で バスセンターまで引き取りに行った あの日バスに乗ろうなんて言い出した のはこの僕 目当てのデ…

父が背中を押さなくても

父が背中を押さなくても 息子よ お前は足で宙を掻け やがて 地に足が着かないような日も来るだろう その時も 息子よ お前は足で宙を掻け ばたばた ばたばた 自分の足で 宙を掻け 父が背中を押さなくても そして その手がどんなに非力でも その鎖がどんなに冷…

待っている兄妹

「待っているんですよ君を」 二番目の兄の担任が電話口でなじる あいにく僕はすぐ下の弟で 二番目の兄ではない 不登校で自閉症の兄 扱いにくいのは同じ血だから百も承知だが 先生に協力してやれることはありません あの頃 二番目の兄にもまだ待ってくれる人…

行くな、シーモルグ

行くな、シーモルグ。 シーモルグよ、行くな。 貴殿は遠い異郷の霊鳥。 神秘の鳥。 鳥のスルタンとも呼ばれている。 貴殿から見れば、僕は名も無き異国人。 だが、僕は貴殿のことが決して嫌いではないぞ。 行くな、シーモルグ。 シーモルグよ、行くな。 僕は…

はじめに

学生の頃ラジオで聞いたフォークソングにハマって、歌詞をはじめ、本来の文芸としての詩にも大いに関心を持ったものです。 その頃も下手の横好きで書いたりしましたが、社会に出て歳を取ってからは、少し詩から縁遠くなっていました。 ごくたまに詩集を買っ…