詩を書いていたりします

時おり、詩のようなものを書いてきました。すみません。吐き出させてください。

奇妙なプレゼント

クリスマスの朝、子どもが一人で歩いていた。 明るくなっていたとは言え、八時前。 我が子らは朝寝坊で、まだ起きていなかった。 だが、その子は歩いていた。一人で。リュックをからって(からう、はここ福岡の方言で背負うの意味である)。 女の子だった。 一…

明日を待ちわびるとしても

期待するな 期待するな 期待なんか しても裏切られるだけ 何回も経験しただろ 怒るにしろ 妬むにしろ 拗ねるにしろ 期待し過ぎただけじゃないのか 他人に 自分に 期待なんかしない なのに 明日が来る なのに? 期待なんかしない 明日が来る 期待なんかしてな…

ロッカーの扉

ロッカーの扉 僕のだけ閉まらないんだ ほかの人のはちゃんと閉まるんだけどね 原因 もちろん知っているよ 僕のロッカーだからね 2020.6.9 + ただ、空。

応援頼む

ヒゲよ 何度剃られても伸びる健気なヒゲたちよ そろそろ旅に出なよ そこは鼻の下 あごの上 どちらでも君たちはあまり必要とされてないんだ それより旅立つといい たとえば頭皮とかにね そちらの方が大事にされるよ 2019.5.17

あえて言え、良かったと

呑み会の席 元社長の会長は 全て良かったと思え そうおっしゃるのだ 過ぎ去った事は全て 良かった そう思った方がいい そうおっしゃるのだ 意地悪を言うつもりはないのだが 言われた一社員の僕には 思い出す事がいくつかある 許せない奴 屈辱 裏切られたとい…

火遊びの後に

火遊びの後に隠す マッチの燃えカス 焦げて縮れた マッチの燃えカス 箸で生ゴミを摘んで 上から被せて 誰から隠している 何を恥じている 何を燃やしたかった 何を照らしたかった 2018.3.14 + この詩を読んでくださった方には、今ウインドウの上方に、 透明…

噛む

肉を噛む 何の肉かとは弁当に入っていた鶏肉 お肉と言うべきか 一口に頬張るではなくあえて 噛む 噛みつく 噛み切る 喰い千切る 前歯で もう血なんか流さない肉 歯型ではなく 途切れささくれた繊維 木の枝でも折ったその断面のような 噛む わざと そんなとこ…

 働き方

自分の職場に張り込みする阿呆 そんなに残業したいのか 給料に加算されないのに そんなんじゃないよ 独りで作業したいだけ 今はおしゃべりもわずらわしい 自分の職場に張り込みする阿呆 どこから見張っているの? どこからだと思う? べつに特別なところじゃ…

傷たちへ

僕も君を否定したくない 僕だって否定なんかしたくもない 君ががんばってきたことを あれほどがんばったことを でも君が彼らを否定することは その否定の仕方は その否定したがる気持ちは 僕も否定しなければならない なぜそんなに怒りを撒き散らすのか それ…

仕事をしているふり

仕事をしているふり 仕事をしているふり 誰も気づかないとでも思っているのか 仕事をしているふり 仕事をしているふり それで仕事をしているつもりかよ 仕事をしているふり 仕事をしているふり 演技が下手すぎだね 仕事をしているふり 仕事をしているふり 少…

雨が降って

ぽつぽつと 雨が降ってきたよ ほら そのゴミ箱に突き刺さっているビニール傘 抜けよ人目があろうとも 抜けよ刀でも抜き放つつもりで それで雨をしのげる 本降りになってきた おーおー降れ 存分に降れ 降るがいい雨よ それでお義母さんが庭に水撒きしないで済…

きっとマンドリンの夜

そそくさと 決まってるじゃないか そそくさと 二次会はご遠慮しよう 新しい人たちを駅まで送る ついでにフェイドアウト ここからはそそくさではなく のろのろ歩いていく 深夜というほどではない夜の勝山公園 やれジョギングだとか影はそこここにあって おや…

容赦を乞う祈り

神様 我が子らを孤独から守りたまえ 不信心者になって久しい僕ですが 不信心のくせに祈りなどおこがましいことは百も承知ですが 神様 我が子らを孤独から守りたまえ 神様僕のこの祈りは やはり間違っているのでしょうか 孤独はべつに悪でも災いでもない ごく…

腕組み

腕組みしたって この頭じゃ知恵も出ない 気の利いた文章も書けない 肩こりも治らない 誰かと肩も組めない 自分一人の腕を組むだけ 女も抱けない 腕組みしたって 戦えない 羽ばたけない 旅立てない ちょっと休んだら その腕をほどいて 自分をほどいて 自分か…

選ばれなくても

選ばれなくても 選ばれなかったら 残されたものなのか 残された者 残り者 余り者 はみ出し者 行き遅れ 乗り遅れ はけただの 片付いただの 目にかなっただの えらそうに 選ばれなかったら その時選ばれなかっただけ それだけ なんだよ 事実を言っただけだろ …

冬将軍の戒め

久しぶりに白く化粧した庭 家族のうちで誰よりも早く見た僕なのに 傘を忘れたりするから ないものはない開きようもない 傘も開かず バス停で開いた本の上 雪がふりかかる 読むな読むな学ばせないぞ 彼方へ思いを馳せるなんてさせないぞ お前はこの寒空の下の…

報いのおつり

友だちと連れ立って登校する娘 その姿その風景 なんてありがたい なんという安堵 そうだこのために生きてきたのだ 歩き走り 怒り泣き 恥をかき恨み 悩み働き どんなにみっともない日々でも すべてこのためだったと思えば なんて贅沢な 神様あなたを疑うよう…

笑えなくて

笑顔が下手なことは認める が笑顔を忌み嫌うつもりもない 別に罪でも無かろうし誰が咎める 笑えるものなら笑いたいさ 笑顔が下手なことは認める が笑顔を他人に任せた覚えはない ここは誰かが笑ってくれたら なんて考え甘えに過ぎないと分かっている ならば…

言葉の中に

どうせ どうせ どうせという言葉 好きでもないのに やたら頭に思い浮かび 思い浮かんでは口から出ていく やたら口から出ていくなんてもはや 痰(たん)だなこれは こんな詩を書いて初めて知った 痰(たん)という字に炎があるなんて 汚い粘り気の中に炎があるな…

気が狂いそうでもすぐに

お前は誰と話してきた こんなに多くの人が入れ替わり立ち替わり そばまで来てくれたのに お前は誰と話してきた こんなに多くの文字列を受け取り 目の当たりにしながら お前は誰と話してきた こんなに多くの言葉を耳にし いや全身で雨と浴びながら 恐れながら…

仕事が無くなる時

してくれ と言われたからした し続けてきた しなければならない しなければ迷惑がかかる しなければ困る人が出てくる ことになる そう心配して続けてきた そんな仕事があった ある日言われた 「実は しなくてもいいんです しなくてもよかったんです しなくて…

つまらないのは

つまらない仕事 ああつまらない仕事のおかげで お菓子が買える おもちゃが買える それがなくとも子らは育つのだが 酒が買える 映画の遊園地の旅列車の券が買える それがなくとも一家は飢えないのだが ああ買える 瞬く間に費やされ それなりに肥やしにはなり…

誕生日会には

息子の五回めの誕生日 プレゼントにはどんなおもちゃが良かろうか 知育玩具に期待し過ぎないほうが良かろうか 親の方が夢中になるしねぇ デパートとか遊園地並みのところ せめて複合施設に連れて行ってやらねば 上の娘はケーキが食べられることで頭がいっぱ…

泣くも笑うも

君が泣いている時に僕が泣けない 何故か(あるいは何故ならば) 僕が泣けば君が泣かずに済む というわけではないという現実 * 幼い頃、泣くな、とよく言われた。 今なら解る。泣くなと言うべき立場になった、今となっては。 全く泣いてはいけない、というので…

喰い入るように

妻の寝姿を見つめた 喰い入るように ヒゲも剃り忘れて よれよれの靴下が自分に似る 君の鏡を貸してくれ 何を見るって鼻毛がちくちくして気になるんだ 助平は鼻毛が伸びるのが早いんだとよ ちぇっ昨日切ったばかりなのに 2018.1.7 この詩について、言い訳はし…

食事

お前たちはなんでそれを食べないのか 毒が入っているわけでもなし お前たちはなんでそれを食べないのか この父が焼いてお前たちが下手だと言ったあの目玉焼きでもないのに お前たちはなんでそれを食べないのか ピーマンすら入ってないのに 遠い異国では わず…

贈るものを探して

まだ新妻というべき君が編んでくれた マフラーを僕は無くした お義父さんが孫娘つまり僕の娘に買ってくれた 三輪車を僕は無くした マフラーはおそらく電車で 三輪車は公園で 置きっぱなし 三輪車は写真があるが (娘がこいでお義父さんが後ろから押して) マフ…

無題

他人がいなくても生きられるのに コンビニやスマホが無いと生きていけない ということか 目をそらしたいのはお互いさま 聞いてもらいたいのは 聞きたくないのは そろそろ気がついただろう 君の話は聞いてもらえない 話を聞いてくれだなんて甘え だとか連中は…

歌よありがとう

飲み会の席 早くお開きになればと思う ばかやろう お開きになればと思う 酔えたためしなどない そんなものない 酔ってないよ 酔えてないよ 酔えるもんか馬鹿 あー吐きたい 鼻水も出る 歌でも歌おうか ららら やれ便利な世の中だ こうして歌詞を検索できるな…

落書きの人へ

やがて去っていくという そんな噂が聞こえてくる人 そんな人が書いた落書きを見つけ 今しばらくは気づいていないふり でもそれがやけにかわいらしく見えるのは かすかにうれしくなるのは いつもと変わらぬその調子 噂など噂に過ぎなかったかのように いつも…