詩を書いていたりします

時おり、詩のようなものを書いてきました。すみません。吐き出させてください。

娘と傘

娘が泣いたことがあった
まだ幼いのに我慢強い娘
妻に似たのか
バスの中に傘を置き忘れて
娘が泣いたことがあった
買ったばかりのお気に入り
赤い傘
家族四人で
バスセンターまで引き取りに行った

あの日バスに乗ろうなんて言い出した
のはこの僕
目当てのデパート前で早く降りろと急かした
のもこの僕
そう犯人はこの僕
お前は悪くなかったんだ

五月
持って行けと娘が言った
その傘で濡れずに済んだ
紫陽花が咲く直前

九月
娘に傘を勧めなかった
その僕が持って出るわけにもいかず
バスを降りると陽が射してきた

                                                 2017.11.9