詩を書いていたりします

時おり、詩のようなものを書いてきました。すみません。吐き出させてください。

気が狂いそうでもすぐに

お前は誰と話してきた

こんなに多くの人が入れ替わり立ち替わり

そばまで来てくれたのに

お前は誰と話してきた

こんなに多くの文字列を受け取り

目の当たりにしながら

お前は誰と話してきた

こんなに多くの言葉を耳にし

いや全身で雨と浴びながら

 

恐れながらも

震えながらも

お前からも歩み寄り

お前からも書き連ね

お前も叫んだじゃないか

 

なのに今お前は思う

自分は誰と話してきたのか

誰かと話したのなら

その人はなぜここにいない

話した

語り合った

言葉を交わした

気持ちをこめて

なのに

 

話してなかったのか

話したつもりだけか

気のせい勘違い思い込み

酒なんか役に立つものか

話してなんかいない

気持ちなどこもってない

こめられない

結局言葉には

気持ちなんか

誰とも

 

それが言葉のせいだったら

それが言葉というものの性質あるいは限界

だったら諦めもつくのか

言い訳もたつのか

でも

そうではなくて

自分だったとしたら

 

ああ気が狂いそう

すでに狂っているのかも

こんな詩もどき

ああ誰か助けてくれ

すがりつきたい

しがみつきたい

温もりが欲しい

鼓動が聞きたい

あなたが欲しい

こんな考えは間違いなのか罪なのか甘えなのか弱さなのか

話を聞いてくれ

分かってくれ

ご理解いただけるとありがたいんですが

ご理解いただけないんでしょうねえ

 

そうさ

もう心配なんかするな

心配なんか

いつものことだ

お前が期待し過ぎただけのこと

何を話してきたかなんて

すぐに忘れるさ

 

                 2018.3.24

 

 

 

 

 

 

 

 

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カメムシ、2匹。

 

お前たちも何かを話しているのか。

 

仕事が無くなる時

してくれ
と言われたからし
し続けてきた
しなければならない
しなければ迷惑がかかる
しなければ困る人が出てくる
ことになる
そう心配して続けてきた
そんな仕事があった

ある日言われた
「実は
しなくてもいいんです
しなくてもよかったんです
しなくても誰も困らない」

なるほどね
ついでに言えば
だますつもりはなかったわけですね
こちらが勘違いしただけだと言いたいのですね
それを言わなくても気づけと言いたいのですね
でなければ
「そんなこと言ったっけ」
「そんなこと前の人が言ったかもしれない
けど今は違います」
と言ったところでしょうか
あるいは
「それで給料を受け取ったのだろう
文句があるならそれを返せ」
なるほどそれはできない
もう胃袋の中だから
こんなところに書くのが関の山

「はっきり言わないと分からないようなら
言ってやる
そもそもお前は仕事なんかしていなかった
お前がしていたのは作業
ルーティーンな作業
作業は仕事ではない
作業と業務と仕事は違う」
なんてはっきり言われるのはこちらだって嫌
となるとやはり言われなくても気づくべきか

あんなにしてきたのに
自分の時間を削ってまで残業して
他人が楽しそうだと羨んで妬んで
他人が楽しているのではと疑って
それを態度に出して喧嘩して
何一つ納得していないまま折れて
言いたいこと一つも言わないまま折れて
卑屈に見られることを覚悟の上で折れて
見抜かれていることを覚悟の上で折れて
自分を折ってまで仕事してきたのに

それは
つもりになっていただけ
仕事をしたつもりに
それは
自分だけではない
自分で折れていたのは
それは
勝手に折れただけ
頼まれてもないのに
勝てない喧嘩の言い訳
仕事が無くなるのはただ単に負けたからか

「しなくてもいいんです
とりあえずそれは
ほかがどうかは知りません
ほかにあなたにしてほしいことがあるのか
ほかにあなたがするべきことがあるのか
それは自分で探しなさい」

そうですね
探すべきですね自分で
分かりました出発します
探しに行きます
見つかるまで
もう探せないと知る時まで

                                                           2018.1.19

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、会社の創業祭に出席しました。

家族も連れていかず、私一人だけの出席です。

面識のある人たちと二言、三言ずつ会話しただけです。

楽しめませんでした。

 

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ふうせんかずら

 

つまらないのは

つまらない仕事
ああつまらない仕事のおかげで
お菓子が買える
おもちゃが買える
それがなくとも子らは育つのだが
酒が買える
映画の遊園地の旅列車の券が買える
それがなくとも一家は飢えないのだが
ああ買える

瞬く間に費やされ
それなりに肥やしにはなりますが
これだけが肥やしではないはず
これだけが手段ではないはず
だからつまらない仕事なんて



つまらない仕事
ああつまらない仕事のおかげで
働いているつもり
義務を果たしているつもり
ほかの誰かでも務まるのだが
自分で望み段取りし形にしたつもり
立派な大人のつもり
ほかの誰かから譲ってもらった仕事なのだが
ああつもり

いつしか慣れて
それなりに顔が立ち胸も張れますが
こんなことが誇りではないはず
こんなこと自分だけではないはず
だからつまらない仕事なんて



そうだね
仕事したくないんだね
君に腹を立てる僕も実はね
でも仕事しないってこともしたくないなぁ

語りたければ働け
働かざる者語るべからず



つまらないと思っているのだろう
でももう気がついただろう
つまらないことの
根源
そんなこと認めたくない
そんなこと書きたくない
したくないしたくないしたくない
何言ってるんだよ
しないでは済まないだろう
自分だけでは済まないだろう

そうとっくに知っていた
自分なのだと

                                   2018.1.7

 

 

 

 

 

+


以前に書いた詩ですが、

泣き言を言うにしても、ずいぶんと贅沢を言ったものです。

よって、どうかご心配なさらず。

ちらと見ていただけたら、それだけで贅沢というものです。

 

 

 

 

 

  

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誕生日会には

息子の五回めの誕生日
プレゼントにはどんなおもちゃが良かろうか
知育玩具に期待し過ぎないほうが良かろうか
親の方が夢中になるしねぇ
デパートとか遊園地並みのところ
せめて複合施設に連れて行ってやらねば
上の娘はケーキが食べられることで頭がいっぱい
いちご味かチョコ味か弟に答えさせようとして
肝心の主役は姉の意図に気づかない
誕生日ってなかなか忙しいねえ
でも忘れてないぞ妻よ
つまりは五年前の今日
君は腹を裂く手術をした
二度めの

痛かったろう
書くことぐらいか
この夫にできるのは
言い出したのは君
もとより代わってやれない夫には止めようもなく
もちろん少しでも痛みが少ないようにと願い
などと書くのはずるいことだ
子らはけんかばかりだが
相手があるからできること
もう一人いるからできること
妻よ君の勇気のおかげ
こんなにも救われている
大げさじゃないまぎれもない事実

五年前の今日
娘も頑張ってたぞ
もうすぐお姉ちゃんになるとはいえ
母のいない初めての夜だったはず
この無力な父の心配もよそに
泣きもせず
その小さな胸中でも涙しなかったかどうか
翌日笑顔で見舞いに行けた
さては妻よ君の方がわかっているな

君は最近よく言う
息子を褒めてやって
息子はちょっと叱るとすぐ泣く
この未熟な父の感情的な接し方も悪かろうが
この未熟な父の幼少期と全く同じ
ああもうこんなところばかり似て
軌道修正を焦りやきもき
また悪循環
息子は僕にトイレに行けと言う
涙は見せない見せたくない
というわけか
この鈍い父でもその小さな背中は読めるぞ
妻よ僕だってこういう変化は評価しているんだ
でも褒め方が足りないか
でも褒め方が下手なんだな

褒めると言えば妻よ
僕は君を褒め労おう
子らにはあんなにやきもきさせられたのに
まだ五年
もっと長い時間だったような
ならば何年だったら納得するのか
それも思いつかない
そんな時間を妻よ
君はここまでつないでくれた
よくぞここまで
そしてこれからも
よろしくお願いします

また誕生日会しよう
ささやかでもいい
次は娘の八回め
おっとその前に君のが
ほら忘れてなかっただろう

                                               2018.1.10

 

 

 

 

 

 

 

+

 

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お誕生日の木、

ということにしておきましょう。

 

 

泣くも笑うも

君が泣いている時に僕が泣けない

何故か(あるいは何故ならば)

僕が泣けば君が泣かずに済む

というわけではないという現実

 

 

幼い頃、泣くな、とよく言われた。

今なら解る。泣くなと言うべき立場になった、今となっては。

全く泣いてはいけない、というのではない。

まだ泣く時ではないだけ。泣くのは、まだずっと先。

今はまだ、ほんの序の口に過ぎない。

 

 

笑えよ笑え

笑いたくなくても笑え

笑えなくても笑え

笑わなければ敵が笑う

 

「ほうら思ったとおりだ

望みが叶ったぜ

あの不幸せな顔

ざまあみろ」 

こんなこと言わせていいのか

 

笑えよ笑え

怒りながら笑え

戦って笑え

笑えば敵が笑えなくなる

 

泣いたりするな

泣く時間がもったいない

笑うが勝ちよ

笑い飛ばせ

 

笑えよ笑え

一つでも笑え

にやにや思い出し気持ち悪く見えても笑え

笑えば幸せ

 

       2018.3.1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

予約投稿です。
これが年明け最初の投稿になるはず。
自分に言い聞かせるつもりで、載せます。

 

 

 

 

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たなくじ。田中さんはカットさせていただきました。

 

今年もよろしくお願いします。

読んでくださった方には、きっと大吉が出ますよ。

 

喰い入るように

妻の寝姿を見つめた
喰い入るように
ヒゲも剃り忘れて
よれよれの靴下が自分に似る

君の鏡を貸してくれ
何を見るって鼻毛がちくちくして気になるんだ


助平は鼻毛が伸びるのが早いんだとよ
ちぇっ昨日切ったばかりなのに

                                            2018.1.7

 

 

 

 

 

 

 

この詩について、
言い訳はしませんよ。
と思ったけど。
それもある意味、言い訳ですな。

というわけで、今からヒゲを剃ります。

少々ヤケ気味な、今年の締めくくりです。 

 

 

 

 

 

読んでくださった皆さま、ありがとうございます。

来年も気長にお付き合いいただけると、ありがたいです。

皆さま、良いお年を。

食事

お前たちはなんでそれを食べないのか
毒が入っているわけでもなし
お前たちはなんでそれを食べないのか
この父が焼いてお前たちが下手だと言ったあの目玉焼きでもないのに
お前たちはなんでそれを食べないのか
ピーマンすら入ってないのに

遠い異国では
わずか二カ月の乳幼児が餓死したそうな
戦争のために
つまり不作や飢饉ではないのだから
戦争さえなければその子は生きられたはずなんだ

お前たちはなぜかそれを食べない
泣いたりごまかしたり
お前たちはとにかくそれを食べない
そんな頑ななところばかりこの父に似て
なるほどそれを食べないからといって
お前たちが餓死するわけではない
お菓子を食べジュースを飲んで
お前たちは餓死はしない
太って虫歯になっても餓死はしない
大好きな母や祖母にため息をつかせても餓死はしない

お前たちはなんでそれを食べないのか
この父が無理強いしているとでも言うのか
たしかにあのニュースは遠い異国の話だが
今この国で起きていないと誰が言い切れる
この食事を
いつか食べられなくなる日も来るんだぞ
この食事は
お前たちの大好きな母が作ったこの食事は
金や権力では口にできないものなんだぞ

                                                   2017.10.31

 

 

 

 

 

子育ての下手な父です。