詩を書いていたりします

時おり、詩のようなものを書いてきました。すみません。吐き出させてください。

贈るものを探して

まだ新妻というべき君が編んでくれた
マフラーを僕は無くした
お義父さんが孫娘つまり僕の娘に買ってくれた
三輪車を僕は無くした
マフラーはおそらく電車で
三輪車は公園で
置きっぱなし
三輪車は写真があるが
(娘がこいでお義父さんが後ろから押して)
マフラーは存在したという記憶だけ
忘れてたの?
覚えてたから今書いているんじゃないか
って結局怒られるよね
暗い寒空の下で書いているんだよ
って結局怒られるよね

なんで思い出したかって
クリスマスのプレゼントを探していて
何を贈ればいいのか途方に暮れて

そう
お義父さんは知っていたはず
何も言われなかった責める言葉は
代わりに言われたのは
「お前は喧嘩が弱いだろうから
 お前の息子には俺が武術を仕込んでやる」
この洞察力だから
お義父さんは知っていたはず
何も言われなかった責める言葉は
代わりに言われた約束は果たされないまま

こないだの職場での朝礼のテーマ
「今までで一番嬉しかったプレゼントは」
ときた
僕は何の話をしたと思う
僕は何を話したらいいか分からなかった
決められなかっただけ
そう思ってもらえるとありがたいけど
結局何の話をしたと思う
お義父さんが残していった本の話をしたよ
直に譲り受けたわけでなく
断りの言葉ももう宙に舞うだけ
勝手に線を引いたり折り目をつけたりしている
という話
義兄さんにも君にもまだ話してなかったね
隠すどころか
僕らの子供たちにも義兄さんとこの子供たちにも
いつか話したいんだ

プレゼントはまだ決まらない
見つからないと言った方が正確か
考えてみれば旅行の土産選びも下手だったな
社員旅行の土産なんて赤面ものだ
あの時はウケを狙ったつもりでも今思い返せば
だからここ数年は頑張ってピックアップしても
最後は君の審査に頼る始末
クリスマスのプレゼントはそうはいかないよね
せっかくのクリスマスなんだから
君へのプレゼントなんだから

奔走しなければ文字どおり
さっき書いたとおり
大切なものを無くしたのだから
一つどころか二つも無くしたのだから
いやもっとあるかも?
なんで無くしたの
君から問い詰められたら僕は答えられない
なんで無くしたんだろう
捨てるつもりはもちろんなかった
まだまだ必要だった
捨てようかと思うものはほかにあるのに
よりによって

要らないものがなくなっても
無くしたとは言わないなあ

百貨店に場違いな男が一人
ヒゲも剃らない
閉店間際だし
不審者に要注意ですよね
すみません
今日は持ち合わせが足りないんで
また来ます

                                                        2017.12.21
                      クリスマスに向けて毎冬慌てて

 

 

 

 

 

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イオン、モーリーファンタジーにて。